2022年6月12日 偲ぶ会総会(八ヶ岳 山びこホール にて)

経緯

1997年7月20日私と清里「そして浅川兄弟」講演 高根町保健センター
1997年11月27日浅川巧公韓日合同追慕祭ソウルロッテホテルにて
1998年10月18日浅川巧の生誕地を訪ねるツアー・高崎宗司津田塾大教授講演「浅川巧の生涯について」山梨県北杜市にて
2001年4月11日浅川伯教・巧兄弟を偲ぶ会に資料館開設記念寄贈
陶磁器4点「白磁無地壺」池順鐸作
「青磁陽刻葡萄文瓶」池順鐸作
「青磁花瓶」柳海剛作
「青磁鉄絵楊柳之筒形瓶」柳海剛作
「陶庵 池順鐸 陶芸集」1冊
トクサル 42点
ワンゴル 現代工芸作家郭桂晶女史の作品24点
総計71点
2001年8月25日浅川伯教・巧兄弟資料館竣工開館
2002年11月23~2003年1月22日姜鳳奎「韓国人の貌」写真展開催・資料館にて
2003年3月21日北杜市と韓国京畿道抱川郡姉妹提携
2005年1月25日映画「白磁の人」制作委員会相談役 寄附金100万円
2012年4月23日映画「白磁の人」完成記念上映会
2007年6月3日「天上の弦」陳昌鉱講演・丁讃宇リサイタル
2008年6月8日「日韓歌曲の夕べ」金貞玲リサイタル
2014年5月13日清里銀河塾「ひびきあう心浅川巧」講演開催・ソウル市立美術館セミナー室
2015年5月17日清里銀河塾ソウル版開校・国立山林科学院にて
2015年10月17日韓国ソウルに清里銀河塾世界市民学校開校・国立山林科学院にて
2017年12月9日北杜市市政功労賞表彰
2019年11月1日北杜市市制施行15周年記念第12号市民栄誉賞受賞
2020年8月28日北杜市に油絵「五元」河正雄2020年作86.4×114.0cm(38.0×28.8cm)の9枚組寄贈
2021年6月13日資料館前広場に浅川兄弟の顕彰碑寄贈
2021年10月3日 駐横浜大韓民国総領事館(尹喜粲総領事)主催 
浅川巧生誕130周年記念韓日交流事業「道—白磁の人」映画会開催祝辞・神奈川近代文学館ホールにて
2021年11月1日 北杜市市政施行17周年記念善行表彰受ける 八ヶ岳やまびこホール
2021年11月28日 浅川伯教・巧兄弟顕彰碑御披露目式資料館前にて・偲ぶ会より感謝碑受ける
2023年4月1日 浅川兄弟記念公園造成に庭石12個と石造物(済州島産)を北杜市に寄贈する
2023年8月2日 浅川兄弟を偲ぶ会(会長・清水光)記念公園碑の刻字支援金を寄付
2023年8月6日 浅川兄弟記念公園竣工式・祝辞を述べる/北杜市の感謝状を受ける 八ヶ岳やまびこホールにて

浅川兄弟記念公園竣工式
(2023.8.6)

浅川伯教・巧兄弟記念公園竣工式2

浅川伯教・巧兄弟記念公園竣工を祝う

光州市立美術館名誉館長 河正雄

2021年6月、上村英司山梨県北杜(ほくと)市長と偶然に二人だけで会話を交わす機会があった。

その時、「2023年は韓国抱川市との姉妹都市交流20周年になる。市長就任後、初めての抱川市を表敬訪問する予定である。」と語った。

「八ヶ岳やまびこホールと浅川兄弟資料館前の敷地を整備して浅川兄弟を顕彰する記念公園が出来れば聖地と成り得る。きっと抱川市との良き記念行事となるでしょう。計画されるならば庭石と石像を寄贈しましょう。」と絵を描いて提言した。

富士山が正面、西側には南アルプスの山並、東側には秩父の山並、3つの国立公園が一望に展望されるパノラマの景勝地で、得も言われぬ適地であったからだ。

間もなく北杜市教育委員会と偲ぶ会から図面が提示され、具体化、実現の運びとなったのは必然性と時期が熟したからだと思う。

こうして浅川伯教・巧兄弟の生誕地に北杜市が浅川兄弟の功績を讃える浅川兄弟記念公園が竣工した。

2021年に私が建立寄贈した兄弟の顕彰碑周辺を芝に張り替え、忘憂里の巧の墓にある碑のレプリカを設置、整備したものだ。

2023年8月6日には白永鉉抱川市長等の訪問団14名、金玉彩駐横浜韓国総領事等多くの来賓を迎え八ヶ岳やまびこホールで竣工式が挙行された。加藤寿北杜市教育部長が経過報告された。

『本年が北杜市と抱川市との姉妹都市結縁の締結から20年の節目であることから、記念事業を検討する中、両市の交流のきっかけとなった浅川兄弟の精神を顕彰し、両市の末永い友好の象徴となる記念公園を整備することといたしました。

折しも、河正雄様から、記念公園の整備に活用してほしいと、庭石や石造物を寄贈したい旨のお話がありました。また、庭石の一つについては、浅川伯教・巧兄弟を偲ぶ会が公園の銘を刻印したうえで寄贈いただけることとなり、4月正式に寄贈の申し出をいただきました。

本市としましては、河様、偲ぶ会の皆さまからのお申し出を有難くお受けし、寄贈いただいた石等を活用しながら5月より公園の整備工事を行ってまいりました。7月末に無事完成をし、本日竣工式を開催する運びとなったところでございます。』

感無量の私は、慶祝と感謝の言葉を述べて喜びを共有した。

『本日は北杜市と韓国抱川市との姉妹都市交流20周年記念事業としての、浅川伯教・巧兄記念公園の設立竣工、誠におめでとうございます。祖国・韓国抱川市の皆様の北杜市訪問を心より歓迎申し上げます。

このような席に招待され、ご挨拶出来ますことを光栄に思います。今から65年前、私が秋田工業高校3年の時、安倍能成著『青丘雑記』の一文で浅川巧の追悼文を読み、心に刻みました。それは「露堂堂」という霊言(ことだま)でした。それから10年たち、「露堂堂」と生きる深い意味を知りました。

以来、浅川兄弟への敬愛と感謝、あこがれを抱いて在日を生きて来ました。日韓で初めて1995年、浅川巧没後64年祭を忘憂里墓地で執り行い、ソウルのロッテホテルでの追悼式で追悼致しました。

その時発足した偲ぶ会に参加し、資料館の設立、私塾清里銀河塾開校、映画「白磁の人」制作等に関与。2021年には浅川巧生誕130年没後90年を記念して「敬愛と感謝を込めて」「露堂堂」の碑文を刻み、浅川兄弟の生誕地に顕彰碑を建立出来ましたことは、私の大きな喜びでありました。

この度の抱川市との20周年記念行事の話を上村英司市長様から聞いたのは、その顕彰碑建立の時であります。その後、記念公園計画を市と偲ぶ会から図面を示され、その計画が具現されますよう、私は別荘にある庭石12個と石造物(済州道産)の寄贈を致しました。

市と偲ぶ会は寄贈庭石の一つを活用、碑文とし、「浅川伯教・巧兄弟記念公園」と刻み建立されました。その先見性と創造性、意欲と実行力に感嘆、感激致しました。

また、本日記念公園竣工を記念して、浅川巧先生が養苗開発しました、ゆかりの朝鮮五葉松の苗木を植樹致します。

実は10数年前、山びこホール玄関先に日韓友好親善を祈念し、植樹を致しましたが枯れてしまいました。木が枯れることを想定していた、清里銀河塾で学んだ在日の辛昌錫氏が実生(みしょう)の種を届けて下さり、別荘の庭に蒔き2〜3年経って芽が出た時には万歳致しました。その苗を比奈田善彦資料館館長に委ね、その後10年近い歳月をかけ育てあげた苗木です。

大きく育って、末は名木大木となって日韓の友好親善を見守り、我々に幸を、エールを贈って下さるものと頼もしく思う次第です。

これまでの多くの行程、営みこそが浅川兄弟の遺徳、恩徳であり、今を生きる我々への教えであり、「露堂堂」と生きる証であると思います。感謝に耐えません。

これを機に、日韓の友好と親善、国際交流が一層推進されて、この公園が日韓のゆるぎない絆となりますよう、そして北杜市と抱川市の発展を幸多かれと祈念します。』

寄贈した石2023年4月1日

「清里の庭」油絵・河正雄作 2023年(145×53.5)

姜鳳奎「韓国人の貌」写真展・2002年11月23日~2003年1月22日

2002年、浅川伯教・巧兄弟資料館会館1周年記念

<作品名>五元 河正雄作 油彩

油絵86.4cm × 114.0cm(38.0cm × 28.8cmの9枚組)
令和2年8月28日 山梨県北杜市に寄贈

油絵「五元」の解説

五元「東洋哲学の地水火風空」を意味する。河正雄のメセナ精神は彼の独創的な作品に良く表れている。彼の作品の中心の主題は“平和と幸福”だ。平和のある所に本当の幸せがあるという事だ。

“このように開かれた世の中、一つになる世の中”を志す河正雄は、地球の五大陸を象徴する“五元”を自らデザインし著書毎に表示している。全ての政治的理念や争いを超えて真に一つになる世界、平和を祈願し愛情に満ちた友好と親善を深め、全人類が協調し合う理念を描いでいる。

「五元」の作品は1960年代頃に日本デザインスクールで学んでいた時の発想からである。
2012年9月3日に開館した霊岩郡立河正雄美術館ホールに「五元・シグナル」を制作、展示して夢を叶えた。
2013年8月24日、サンクトペテルブルクにあるエルミタージュ美術館のフランス館で「五元」をテーマにしたアンリ・ル・フォーコニエ(1881年-1946年)作品「シグナル」に出会う。
偶然が必然となる出会いで、国と時代が違えども、私と同じ哲学発想の作品が既に遺されていたことに深い感動を得た。

資料館に寄贈した作品集
(1998年10月18日)

資料館前広場に浅川兄弟の顕彰碑寄贈・建立(2021年6月23日)