作品寄贈 (2021年11月11日)

埼玉県立美術館へ寄贈に至った経緯と期待

私は1939年に東大阪で生まれ、生後間もなく秋田に居住し19歳まで暮らした。1959年に秋田工業高校卒業後、埼玉県川口市に住むようになり、今年で63年になる。

1960年代から美術作品をコレクションしたものを、1993年から韓国11の美術館等及び日本の5美術館等に1万2千余点を寄贈して来た。

 コレクションの中でも孫雅由の作品数は一番多く、上記美術館等へ分けて寄贈してきたが、小作品の版画、ドローイングなどは特に愛着があったので長年所蔵していた。

 振り返ると在日の人生に於いて、最も長く暮らした埼玉県への寄贈が抜けていた。私の人生に於ける締め括りの想いから、報恩の想いを込めて2021年11月11日に孫雅由版画57点、ドローイング119点、資料3点、郭徳俊版画1点、文承根版画1点、計181点を埼玉県立近代美術館へ寄贈するに至った。

 韓日の公立美術館等に、在日作家作品のコレクションが寄贈出来た事は慶事である。在日作家の存在と在日の文化から生まれた美術作品が記録、記憶される歴史的な美術遺産となって守られることになったのは喜びである。

 2022年に開催される河正雄コレクション作品展は以下の通りで、韓日で花開いている。

①埼玉県立近代美術館収蔵展

特集:孫雅由の小宇宙・河正雄コレクション

2022年4月30日~8月28日

②光州市立美術館開館30周年記念河正雄コレクション特別展開催

 2022年4月6日~7月3日

③光州市立美術館主催第22回河正雄青年作家招待展開催

 2022年7月20日~10月30日

④霊岩郡立河正雄美術館主催「寄贈の美学1・在日作家たち」展開催

 2022年3月31日~10月16日

 「霊岩の魂」展開催

 2022年3月31日~6月20日

 蒔いた種が育ち花となり、その 実は在日である私達の成果である。

MOMASコレクション(収蔵品展)