精霊
死んだ人の魂は山や川、草や木等、全ての物に潜んでいると思われている。原始時代からの宗教的な崇拝の対象だ。平和の象徴でる鳩(魂)が幸福を祈願、宇宙「天」中で舞いながら永遠に現世を見守っている。
「精霊」は「ダビデの星」と全羅南道を象徴する「椿」、霊岩を象徴である月出山と、月光が照らす霊岩の空を飛上する鳩の群舞で構成されている。この作品は鳩に象徴され霊岩精神と霊岩の未来が躍動している。
和(〇△□)
釜塔
金属(鉄)底面110×高さ286×回り90(2014年)※ソウル秀林文化財団アートセンター
念願(平和、幸福)
油彩 364.0×228.0(2012年)※霊岩郡立河正雄美術館
「念願:平和と幸福」はピカソの「ゲルニカ」から啓示を受けた作品。20代に構想した図案を基にして製作した。過去の歴史への回帰、内省を込め平和を願いながら、幸福への希求、音楽への憧れ、幼少期、青少年時代に抱いた夢と希望を描いた作品。この絵は河正雄の精神と哲学のメッセージである。
Signal.信号
日本の東北地方、秋田の秀峰駒ケ岳の山麓、山紫水明なる田沢湖湖畔には徴用犠牲者を慰霊する観音像が立っている。甲信地方八ヶ岳の清里は河正雄が尊敬する国際親善の先駆者であるポール・ラッシュ博士と浅川巧の故郷だ。
河正雄の両親の故郷には霊峰、月出山が聳え立っている。光州の無等山の山麓には5.18光州民衆抗争の聖地がある。河正雄は過ごした日本と韓国は一衣帯水、山脈、海流、大気で繋がっている。不幸だった激動の歴史を忘れず、亡くなった人達を慰霊しなければならない。
ゴッホとの出会い(版画 李撤元 作)
ゴッホとの出会い 85×146(2013年)
1932年、秋田工業高校2年生の秋だった。河正雄は修学旅行のために毎月500円ずつ貯めたお金で、日本で初めて開催されたゴッホ展を見る為、東京行きの夜行列車に乗った。列車の窓から見た夜の空に満ちた星達は、ゴッホの絵の様で夢を見ている気持ちだった。秋田から東京へ行く列車は、熱く孤独な青春が躍動するように河正雄を乗せて進んで行った。
故郷の四季(春夏秋冬)
油彩 161.3×193.7(1枚のサイズ) ※4枚一組の作品 (2014年)
散華・シグナル
油彩 276×403.5 (2017年)